7人の証人

第3の証人「ビール研究家 村上満さんの証言」

世界のビールを飲み歩いた達人。思い出深いドイツビールにはヴァイスヴルストが定番です

ビアライゼ(ビールの飲み歩き)歴46年と伺いましたが、
きっかけは何ですか?

村上満氏 1961年、寿屋(現サントリー)に入社して2年目の欧米出張がきっかけです。
当時寿屋は、これからビールの製造に乗り出そうとしていたところ。その先駆けとしての出張でした。ヨーロッパの名醸地を周り、そのままミュンヘンで1ヶ月、コペンハーゲンで1年間滞在し、ビール造りを勉強しました。デンマークで学んだ衛生管理はすばらしく、その成果として「純生」というビールができたんですよ。その後はビール造り一筋で、そんな仕事の関係上、世界中のビールを飲み歩きました。中でもドイツのミュンヘンには50回ぐらい訪れています。

森鴎外とドイツビールをテーマにした著書もありますが、
やはりドイツビールがお好きなんですか?

いえ、ビールはやはり、プレミアム・モルツがいい(笑)。泡持ちが良く、するする飲めますからね。
一番最初に行ったのがドイツでしたし、ドイツビールにはエピソードが多いんです。たとえば、ビールはイギリスのエールビールに代表される上面発酵ビールと、15世紀にドイツで発祥したラガービールとも呼ばれる下面発酵ビールに大きく分けられます。下面発酵ビールは夏が暑いドイツの気候に合わせて考案された醸造法で、2000年もの歴史を持つエールビールに比べると新参者ですが、今では世界のビールの主流になっています。日本でも江戸末期の開国後、外国人居留地に輸入されたのはエールビールでしたが、明治20年代にはラガービールが中心になります。これは当時のプロシア・ドイツの隆盛に影響されたのですが、ビールと政治はそれほど密接な関係があるのです。いわゆる「一気飲み」を伝えたのもドイツ陸軍の伝統的儀式に影響を受けた、乃木希典などドイツ帰りの帝国陸軍将校たちなんですよ。

シェーンドルフでも「オクトバーフェスト」を開催中ですが、
本場のオクトバーフェストに通われていらっしゃるとか

オクトーバーフェスト風景 オクトバーフェストは10月の最初の日曜日を最終日とした約2週間(16日間)、ミュンヘンで開催される地元のお祭りです。ミュンヘンにある6つのビールメーカーが5000人も入れるような大きなテントのビアホールを出店し、世界中から観光客が集まるビール祭なんです。JTBからビールツアーのアドバイザーを依頼され、この10年、毎年のように行っています。今年はANAの企画でオクトバーフェストへ行きます。
オクトバーフェストでは朝からビールを酌み交わし、ドイツ民謡が流れるとみんなで乾杯しますが、ドイツの音楽を聴くとビールを飲みたくなりますね。自宅でビールを飲むときも、ミュンヘンのビアホールで演奏されている「ビールの民謡」をセットするんです。軽快で勇壮なバイエルン音楽とともにビールはすすみ、ついにはCDに合わせて「Ein Prosit!」を合唱。これは至福の時ですね。
[左上写真] オクトーバーフェスト会場風景(村上満氏提供)

ビールに合わせてどのようなものを召し上がりますか?

ビールはなんでもアテになる酒ですが、ドイツのハムとソーセージとの相性は最高ですね。だからドイツでは朝飯が一番うまい。というのは朝食にハムやソーセージがたくさん出るんです。私が最初に留学した1960年代のことですが、朝、駅へ行くとパンとソーセージとビールのジョッキが揃っている。出勤前のサラリーマンの朝食でした。今でもドイツ人のビールの消費量は日本人の2倍ですが、ミュンヘンでは3倍以上なんですよ。
ドイツのビアホールにはブレーツェルという八の字型のパンが必ずあります。岩塩入りで、この塩味がビールとよく合うんです。また、バイエルン地方の地ビールとして知られる酵母入りのヴァイツェンビールのつまみは白ソーセージ、ヴァイスヴルストが現地では定番です。その昔、白ソーセージは傷みやすいので、作ってすぐ食べるのが伝統で、今でも午前11時頃に食べる習慣があります。

シェーンドルフの「ヴァイスヴルスト」はいかがですか?

ヴァイスヴルストシェーンドルフのことを知ったのは昨年パンフレットをいただいたのがきっかけです。ミュンヘンで食べていたヴァイスヴルストの味を求めて、それらしいものをデパートなどで見つけては買っていたんですがどうも違う。シェーンドルフの「ヴァイスヴルスト」をいただいたときに「これはいいな!ドイツの味だな」と思いました。あっさりしてね。
 ただ本場のヴァイスヴルストは直径4~3センチ、長さ12~13センチと、もう少し大きいんです。ツバイスティックといって2本セットで提供されますが、ドイツ人には物足りないでしょうね。でも日本人にはこれぐらいでいいのかな。日本人って食わないでしょ。一緒に食事をするとドイツ人にとってはその辺が物足りないようなんです。その点私はよく食べるんで、「おまえは偉い」とよくほめられました(笑)。

「ヴァイスヴルスト」はどのように召し上がっていますか?

茹でてその汁ごと器に入れ、食べるときに皿にとります。縦にナイフを入れて薄皮を剥がしますが、シェーンドルフの「ヴァイスヴルスト」はきれいに剥けるので気持ちがいいですね。甘酸っぱいゼンフ(マスタード)をつけて食べますが、日本には現地のようなゼンフがないのが残念なところです。
我が家では来客があるとお茶代わりにビールを出すのが習慣なので、ソーセージはお菓子代わり。ところが孫たちもシェーンドルフが大好きで、気がつくとみんな食べられてしまうんですよ。

村上満さん(むらかみ みつる)
ビール研究家。1959年東大農学部農芸化学科を卒業後、寿屋(現サントリー)入社。
ビール造り一筋で、日中合弁の江蘇サントリー食品公司の役員、および米、加、豪で「生ビール製造」の技術指導を行う。サントリー常務取締役を経て94年退任。以降は同社顧問、技術監の傍ら、地ビールの指導や海外視察、新聞・雑誌への執筆、関西学院大学、近畿大学、長崎県立大学および放送大学の非常勤講師など多忙な毎日が続く。
著書に『「ナマ樽博士」の世界ビール紀行』『地球ビール紀行』『ビール世界史紀行』(いずれも東洋経済新報社)、『麦酒伝来~森鴎外とドイツビール』(創元社)がある。

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